兼業農家の米づくり

私は、兼業農家です。日頃より、安心・安全なおいしい米づくりをしたいと思っていましたので、令和元年にあわせたわけではありませんが、以前より興味がありました「還元塩ミネラル農法」(圃場に塩をまいて米を作る)で米を栽培してみました。結果は、食味についても良好で、農薬の削減もできました。というわけで、令和2年は還元塩ミネラル農法+αでパワーアップし、特別栽培米の基準、農薬5割削減・化学肥料5割削減を目標として、スタートします。

除草剤散布

 今年は1回目の田植え後2週間後に除草剤を散布しました。

昨年と同じ除草剤です

 この時期の除草剤には同じ名前でも3種類あります。1つは、液体のものです。2つ目は、粒状で手回しの散布機で散布します。3つ目が、私が使うジャンボ剤です。これは、10m×10mに1袋の目安で投げ込んで行きます。水に濡れると袋がとけ自然に広がっていきます。

このように投げ込みます。

 これで、種子消毒に2種類、箱処理剤に3種類、除草剤に2種類、計7種類の農薬を使用しました。今年も収穫後、農薬の残留検査を行い報告したいと思います。

1回目の田植え

 1回目の田植えは、森のくまさんを予定していましたが、種籾が使えませんでしたのでにこまるになりました。

 6月15日に、初チャレンジとして、ジャンボタニシ対策に、セルエナジーをジョロで散水しました。これについては、後日結果が出てから詳しく説明したいと思います。ちなみに、セルエナジーは、アサヒビールでビールを作る際のビール酵母の残渣です。

 6月16日、代かきを行っています。

 翌日、17日に苗箱剤として、昨年と同じ「ブイゲットフェルテラチェスL 粒剤」を散布しました。

薬剤と散布機

苗箱1箱に50グラムを均等に散布

 6月18日、1回目の田植え。午前6時から初め10時30分頃終わりました。

田植機での植付終了、後は機械で植付できなかったところを手で植えます。

 2回目の田植えは、1週間後予定。 

農作業の状況

 3月後半から本格的な米づくりのための農作業が始まります。

畦畔の除草作業前の様子です。

除草後の状況です。

 除草作業は、田植え前に4回、田植え後に3回おこなう予定で、米を作る上で1番大変な作業になります。除草剤の便利さを痛感しますが、熊本型特別農産物として販売しますので除草剤は使いません。

 4月の初めに、荒起しを行いました。

1回目の耕起になります。

 天候の都合で今年は田植え6週前に、元肥として、マルイ有機オイスターミネラルを散布しました。

マルイ有機(鶏糞)です。

ブロードキャストで散布。

散布後、2回目の耕起。

 今年の作つけの品種をどうしようかと思い、消費者の皆さんに聞いたところ、昨年と同じく、森のくまさんとにこまるに決めましたが、ひとつ気になると事がありました。

 去年、ライスセンターのミスで森のくまさんが過乾燥になっていたため、発芽が心配されましたので、発芽試験を行ったところ2割くらいしか発芽せず、種籾として使用できないことがわかり、にこまるだけ作つけとなります。種籾の注文は1年前に行いますので、急には手に入りません。

 種まきに向けて5月14日に優良な種籾を選別するため、塩水選を行います。比重1.13の塩水を作り浮いた種籾を選別し、塩分を除去します。

浮いた籾を取り除きます。

塩分を取り除きます。

 次に、種籾の消毒です。

クリードCとスミチオン乳剤。

24時間浸けて、後積算温度が100になるように水につけます。

 5回目の塩水選と消毒は、5月21日に行いました。

 1回目の種まきは、5月21日、2回目は5月28日です。

種まきの様子です。

 約4日後、発芽し始めましたので苗床に移します。

1回目です。

2回目で、1週間違いで写真のようになります。

 この後は、田植えの2,3日前に田んぼの代かきを行います。







 

 

令和4年産の米づくりスタート

 令和3年産の森のくまさん、にこまるについては、誰が食べても美味しく感じる食味スコア80点代を取れましたが、光合成細菌の効果が納得できませんでした。令和2年より天候にも恵まれ期待していましたが、まだ何か足りないものがあるようです。

 課題もいろいろありますので、対策を考えていきたいと思います。

 今年も土壌分析診断を行いました。昨年に比べると改善されてきていましたが、長年指摘されている堆肥等の有機物の投入により地力をつける必要があります。

 堆肥の散布には、散布用の機械(マニアスプレッダー)、堆肥を入れたフレコンを抱えるフォークリフト等が必要になり、とても私ができる範囲を超えています。

 何かいい方法がないか調べていたところ、牛糞堆肥をペレット化したものがあることがわかりました。ペレットであればマルイ有機と同じで、ブロードキャスターで散布ができます。調べるとラッキーなことにJA菊池の合志の堆肥センターで作成していることがわかり、早速連絡を取り購入に行きました。

f:id:kt25273:20211111170457j:plain

GTペレットという牛糞堆肥です。

 次に、去年と同じく稲わらが分解しやすいよう米ぬかを散布し、にこまるを作つけした圃場に籾殻を散布しました。

f:id:kt25273:20211111170854j:plain

今回は、試験的ににこまるを作つけした圃場に散布。

f:id:kt25273:20211111171124j:plain

GTペレット、米ぬか、籾殻散布後、浅く耕起します。

 この後は、ジャンボタニシ駆除のため1月に耕起をしたいと思います。ジャンボタニシは、寒さに弱いので冷気にさらして駆除する方法を試して見たいと思います。

残留農薬の検査結果、食味スコア

 PDFの表示にてまどいました。やっと表示出来るようになりました。

 森のくまさんは、残留農薬の検査結果・食味スコア、にこまるは食味スコアです。

 

 外観品質については、参考程度にしてください。買取時の検査では、2等米でした。原因は、カメムシの食害による変色でした。化学農薬を使用すれば防げますが、ここで使用すれば100%の確率で農薬が検出されます。見た目より安全性を優先しました。

 森のくまさん、にこまるともに目標の食味スコア、誰が食べても美味しく感じる80点代でしたが、残念ながらライスセンターでの乾燥が過乾燥になっています。適正水分量だともっと美味しくなっていたと思われますので残念です。

森のくまさんの稲刈り

f:id:kt25273:20211001122618j:plain

予定どおり出穂後積算温度950を超えたところで稲刈

 9月29日、森のくまさんの稲刈りを行いました。

f:id:kt25273:20211001122925j:plain

刈取った米をライスセンターに運ぶための作業です

 盆頃の長雨のため、いもち病、穂いもち、紋枯病の影響で収量が例年に比べて1割強の減収となりました。

 早速、つくば分析センターに残留農薬の検査に出しました。結果が分かり次第アップしたいと思います。